高山勝成の帰化や韓国国籍はデマ!オリンピックとアマ登録と大学は?
現在36歳の高山だが、7月6,7日に名古屋市で行われた愛知県選考会には大勢のマスコミが詰めかけた。この種の地方予戦では全く考えられない騒然とした雰囲気が漂っていた。
高山はフライ級(52kgがリミット)で両日共1勝ずつ挙げ、8月の東海ブロック大会に駒を進めたが、2016年に最後のプロの試合をしてから約3年振りの実戦だった。
ほとんどの選手が引退している36歳の元プロボクシング最軽量級の王者をここまでリングに留めるものとは何なのか探ってみた。
目次
プロボクシング元世界チャンプの新たな挑戦!東京オリンピックを目指す!
プロボクシングの世界メジャー4団体を制覇した元ミニマム級プロボクサーの高山勝成選手が来年の東京オリンピック出場を目指し、この程第一歩を踏み出した。
アマチュアのオリンピックのメダリストがプロに転向する例は沢山あるが、プロの元世界王者が引退届を出した上で、オリンピックを目指してアマのリングに上がった例は高山が初めてだ。
高山勝成の数奇なボクシング人生とは?
中学卒業後すぐに大阪のエディタウンゼントジムからプロデビューした高山だが、そのボクシング人生は非常に入り組んだものだった。
デビューこそ2000年10月に4回戦でTKO勝ちしたものの、その後、諸事情によりジムを渡り歩き、一時は日本ボクシングコミッション(JBC)のライセンスを失い、海外を拠点として活動していた時期も有った。
それでも、2005年にWBCミニマム級王座、2006年にWBAミニマム級暫定王座、2013年にIBFミニマム級王座を獲得。2013年にJBCより正式にライセンスの再発行を受けた。
そして、2014年の大晦日にWBOの王座を獲得し、日本人として初の主要4団体での世界王者となった。
その後、これらのメジャー団体の世界戦を繰り返し、2017年4月3日付きで、2020年に東京で行われるオリンピック出場を目指すためにJBCに引退届を提出した。プロでの戦績は31勝(12KO)8敗1無効試合だった。
高山にとって‘ラッキー’なアマチュアボクシング不祥事とアマ登録!?
プロを引退した高山は日本アマチュアボクシング連盟(JABF)へ選手登録を求めていたが、当時の山根明会長は明確な理由を示さぬまま、拒絶を繰り返していた。
プロ選手が野球やサッカーに参加を認められたことをきっかけに、ボクシングも2016年のリオデジャネイロ五輪からプロ選手の参加を認めるようになったが、JABFは高山の申請を拒否し続けていた。
高山にとって‘’ラッキー‘’だったのは、昨年山根会長が不祥事で退陣に追い込まれ、新体制が発足したことだ。
高山の選手登録が認められ、ついに7月のアマ・デビューを迎えた訳である。
帰化や韓国国籍のデマや大学は? ‘持っている’男高山?
一部のネットに載っている、高山選手の帰化や韓国国籍の話は全くのデマである。
また、高山選手は2000年にエディタウンゼントジムからプロデビューして以来一貫してトレーナーとして付き合い、現在はプロトレーナーライセンスを返上して高山と付き合う中出博啓さんの存在が無ければ今の高山はないと断言できるだろう。
高山は独身だが、良きトレーナーや理解者に恵まれ、法律面でサポートしてくれる弁護士や、中学しか出ていない高山を30歳で高校(菊華高)に入学を手伝い、名古屋産業大学で学生として受け入れてくれるまでの面倒をみてくれた学校関係者など、高山には損得抜きで人を引き付ける何かが備わっているようだ。
今風に言うと「持っている男」とでもいうのだろうか。
高山勝成はこれからが勝負!
勿論、幾らプロボクシングで世界チャンピオンにまでなった高山といえども、アマのルールで五輪を目指すのは「無謀」と言われても仕方のない冒険でもある。
プロではスロースターターだった高山が、3分3ラウンドのアマの試合で対応出来るのか不安もあるが、高山のボクシングスタイルはむしろ派手なプロよりも、アマに向いているのではないかと見る専門家も多い。
一発にパンチ力があるわけでもなく、どちらかというと、足を使ってヒット&アウェータイプの高山のボクシングは確かにアマ向きだ。
ひとつ問題があるとすれば、プロのミニマム級のリミットは47.6kgだったが、東京五輪のアマの最軽量のフライ級は上でも述べた様に52kgがリミットだから、プロに当てはめてみると、スーパーフライ級(52.16kg)で戦うのとほぼ同じで、3階級も上という事になる。勿論、高山はそれを分かった上での挑戦だ。
高山勝成は未来の生徒に’諦めない気持ち‘を伝えたい!
高山のオリンピック後の夢は教壇に立つことだ。
東京五輪が開幕する4カ月ほど前に行われる大学の卒業式で高山は「諦めない気持ちを次世代に伝えていきたいのです。
教員になって、それをやろうと決断しました」とマスコミ関係者に述べている。
高山にとってオリンピック出場はこの「諦めない気持ち」を身もって証明する最大のチャンスだ。
8月の東海ブロック予選で、全国大会の優勝経験者で最大の難敵の坪井智也と対戦する可能性がある。
果たして高山はここでも「持っているボクサー」として振る舞えるか、非常に注目される。